インプラントインプラントについてご案内します。
歯が無くなってしまった部位の歯グキに、新しく第2の永久歯とも言える人工の歯を植えます。その上に、固定式のかぶせ物を入れる事によって、元の自分の歯と同じ様に食べ物を噛めるようにする治療法です。
当院では、“Bonefit(ボーンフィット)”というタイプの純チタンを使用したインプラント治療を行っています。
チタンは体にとって無刺激で、体に良くなじむ性質です。
外科の分野でも骨折治療や人工関節など、広く応用されています。
※インプラント治療の質を向上させるため「最新の歯科用CTスキャン」を導入しています。
インプラントの特徴こんな方へオススメです。
歯冠まで修復できる画期的な治療法。
失った歯の部分だけにインプラントを入れるので隣の歯を削らずに済みます。
見た目が天然の歯のように美しく、強いです。
噛む感触が天然の歯とほとんど変わりません。
インプラントの基礎知識インプラントの基礎知識についてご案内します。
インプラントの構造インプラントの構造についてご案内します。
まず、一般的なかぶせる固定タイプのインプラントの構造(図1、図2、図3)は、骨の中に埋まる部分のインプラント体(人工歯根)と呼ばれる部分人工の歯冠(被せ物)の支(土)台となるアバットメント
アバットメントと人工歯根体を固定するネジ人工の歯冠(被せ物)で構成されます。
被せ物は一般的にセメントと呼ばれる接着剤でアバットメントに接着されますが、外れやすいケース等ではアバットメントに直接被せ物を作りネジで固定する方法を取る場合もあります。
インプラントの治療手順治療の流れについてご案内します。
インプラントの骨の計測等で適応症と確認後、まず歯茎にメスで切開を加え、歯茎を剥離(骨から分離)し小さなドリルから骨に穴を順次開けていき、所定の大きさまで開けインプラントを埋入し骨に固定します。(図1:インプラント埋入)
埋入後インプラントの骨内に入った部分は表面が凸凹に処理(ブラスト処理)されており、その中に微細な骨が侵入(※赤矢印)してきてインプラントと骨が固定されます。 噛む力に耐えられるのに早くて6週、一般的に条件が良ければ2~3ヶ月で仮歯によりリハビリが行えるようになります。(図2:固定)
インプラントはメリットがデメリットを上回るか?デメリットについてご案内します。
結論から言うとメリットが明らかに上回ると確信してますので私自身にも家族にも行っております。 私自身3年前に4本のインプラント治療を受けており、経過はすこぶる良好で今日に至っております。(図1有吉洋)
また、家内にも4本、実の母にも2本、義理の母にも2本すでに10年以上前に埋入し現在まで大きなトラブルなく経過してます。 残念なことに父は若くして心筋梗塞を患っており手術を行えませんでした。なぜ心筋梗塞を起こしたかを父の歯科治療から説明します。(現在作成中) 自分自身に用い、家族にも勧めるが故にゆえに「患者さんにインプラント治療をお勧めしております。」 その理由として、まずは私自身の歯科治療経験(経緯)を別記(現在作成中)しておりますのでご参照ください。
インプラント治療は永久に持つのか?インプラント治療についてご案内します。
残念ながら永遠ではありませんし、個人差があります。
私は 「自分の歯がインプラント本数分増えたと思ってください。 自分の歯を管理できる人は長く持たせられることができるでしょうし、 自分の歯を悪くする人は同じようにインプラントにも問題が起こります。」 と答えています。 具体的にどのようなトラブルが生じるかを頻度の高い順に列記します。
- 1)インプラント周囲炎
- 2)インプラントの被せ物(クラウン)の脱離破折
- 3)インプラントボディー被せ物内部の土台間のネジ止め部分の緩み、破折
- 4)インプラントボディー(骨内部分)の破折
上記の詳細を項目ずつに解説する予定にしております。
インプラント周囲炎について周囲炎についてご案内します。
インンプラントはチタン合金ですので、歯ブラシが悪くても虫歯にはなりませんのでメリットと言えます。 しかし、歯ブラシが悪いと歯は歯周病になりますがインプラントの場合同じようなインプラント周囲炎を起こします。
また、歯とインプラントの構造上の違いにより歯周病よりインプラント周囲炎の方が起こりやすく治りにくという下記の理由があります。
理由1)インプラント上部は(図2黄色矢印)歯茎を貫通する部分で鏡面加工と呼ばれ、歯ブラシば悪く歯垢や歯石で汚染されても歯ブラシや等で清掃雨することができますが、その下部の骨とひっつく部位=ブラスト処理された部位は一度汚染されると汚れを取ることは不可能で炎症が継続的に起こり広がっていきます。
理由2)歯はシャーピー繊維で囲まれ骨に支えられており 、歯の周りには横方向に走行する繊維(図4黄色丸)これが歯茎の中に侵入しようとする歯周病菌のバリヤー(図3)となって守っています。 しかし、インプラントの周囲は縦方向の繊維しかなくバリーヤーがないため容易に感染を起こし、炎症が広がりインプラントの寿命を短くします。(図5) 特に、歯周病で歯を失った方はインプラント周囲炎のリスクが高いので定期的なメンテナンスと検査が欠かせません。
インプラント破折の種類について破折の種類についてご案内します。
まず、一般的なかぶせる固定タイプのインプラントの構造(図1、図2、図3)は、 骨の中に埋まる部分のインプラント体(人工歯根)と呼ばれる部分 人工の歯冠(被せ物)の支(土)台となるアバットメント アバットメントと人工歯根体を固定するネジ 人工の歯冠(被せ物)で構成されます。 被せ物は一般的にセメントと呼ばれる接着剤でアバットメントに接着されますが、外れやすいケース等ではアバットメントに直接被せ物を作りネジで固定する方法を取る場合もあります。
1)最も頻度が高く問題が小さいのは人工の歯冠の脱離(図3インプラントの構造3の②と③の間)で、アバットメントとの間の接着剤が剥がれて起こります。 何故頻度が高いかと言えば、インプラントの場合噛む力によりネジが緩んだり被せ物のセラミックスが壊れ易いため、術者が任意で外すことのできるように仮付け用の接着剤を使うケースが多いためです。
2)その次に頻度が高いのは人工の歯冠のセラミック部、金属の部の破折(図4破折1)で、理由として歯には骨と歯根の間に存在する歯根膜がインプラントでは存在しないため、歯根膜の有するショックアブソーバとしての機能がないために、噛む力がダイレクトにインプラントに加わるためです。 この対応としては仮付けであれば歯冠部を外してセラミックス部位の修理ですみます。 インプラントのその他の破折等トラブルが多い原因にも、このショックアブソーバ機能がないためと言えます。
3)ネジの緩みにより、アバットメントがインプラント体から外れ脱離する場合。 多くの場合インプラント体もネジもチタン製で出来ており、チタンの金属特性である粘りを利用し約30Nの力で機械締めによる固定をシステムとして用いています。 多くの場合このシステムにより緩みをは起こらないのですが、やはりわずかですが想定以上のパラファンクションの力で緩みを生じる方がおり緩みを生じ脱離を繰り返すかたも残念ながら存在しました。 設計が古い特に国産のインプラントにこの傾向がありましたが、現在販売されているものは改善がなされておりほとんどありません。
4)インプラント体の破折。 古いケースではインプラント⏀3,3mm以下のインプラントも奥歯に使用しても問題無いとの見解で、多くの破折症例が起こったために10年以上前に前歯だけとの使用制限規則が出来ましたので、現在はありません。 しかし、やはりパラファンクションが原因と思われるケースで現実には0,0数%ですが起こる報告もありますし、経験もしました。 このケースではインプラント体を撤去し再度インプラント処置を行う必要が有ります。
リカバー症例1(図5リカバー1) また、患者さんが全身的その他の理由で再オペが出来ないケースでは、炎症がない無害であるとの条件でそのまま骨内に放置観察するケースもあります。
リカバー症例2(図6リカバー2)
5)ネジが途中で破折しインプラント体内部に残った場合。 これも、やはり0,0数%ですが起こるあって欲しくないトラブルですが、ネジが30Nで機械締めし外れない設計になっておりますので外すのが大変です。 但し、ネジがインプラント体を傷つけないように外れないと新しいアバットメントとの交換ができませんので元に戻すことができません。 現在、いろんなメーカーからこのネジを撤去するためのキットが販売されていますが、どれも確率的に低いのが現状で、インプラント体内部のネジ山を傷つけるリスクをとって削り取ることがあります。
リカバー症例3(図7ねじ破折1、2) 前医での治療を中断し放置しておいたためにネジが破折し、当院でマイクロスコープを使用し注意深く削りとりリカバーした例です。
インプラント治療に関しての残念ながら以上のような術後トラブルが報告されています。 しかし、すべての医療はメリットがあればデメリットも存在しデメリットよりメリットが上回れば、その治療の選択が正しいと考えております。 私自身も既に4本のインプラントを埋入済みでしており、いかなる考え方を持ってインプラント治療を選択したか別記したいと思います。
インプラント破折の原因について破折の原因についてご案内します。
インプラントのトラブルの一つにインプラントが壊れる破折があります。 インプラントも現在主流のチタン製のボーンアンカータイプが普及し20年以上が経過しております。 この間発生した破折を含むトラブル等に対して、より安全な改良が加えられておりかなりの耐久性が備わってきています。 しかし、インプラントもチタン合金で作られた人工臓器ですから、毎日噛(咬合)と言う機能をしなければならずその都度強い力がかかります。 厄介なのが、パラファンクション(図1)と呼ばれる異常な噛む力で一般的にはブラキシズム(歯ぎしり)クレンチング(噛み締め)と言われていますが、この中で夜間無意識のうちにするものに関してはほとんどの方が自覚していません。
一般に昼に食事時、歯の接触時間は20分程度で噛む力はオルソーファンクション(生理的機能)と呼ばれ12kg/cm程度です。 しかし 、夜間のパラファンクションではこの5倍以上の74kg/cm2の力を出し、時間も長い場合3時間も続く場合があり主にこの力がインプラントの破折の原因となります。
インプラント療法のメリット療法のメリットについてご案内します。
メリット1
1~2本の欠損部分を補うのに通常用いられる『ブリッジ』という方法では、健康な両脇の歯を削らなければなりませんが、インプラントではその必要がありません。(図1:メリット1)
メリット2
入れ歯のように着脱の必要や違和感がなく、食事や発音もスムーズにできます。(図2:メリット2)
メリット3
見た目が自然で美しく、メンテナンス性にも優れています。
メリット4
最大のメリットは、噛む力を分散し、残った自分の歯を保護してくれることです。
通常その人の体重くらいの噛む力が上下に自分の歯にかかります。
ここでは、仮に一般的な体重70kg(男性)とすると、すべての健康な歯を持つ男性では、奥歯に多くの力がかかりますが、全部の歯に力が分散し問題を起こしません。(図:メリット3左)
しかし、奥歯2本を抜いた状態では奥歯が負担していた大きな力は小臼歯に集中し、(咬合性外傷力)この歯がグラグラになるか割れてしまいダメになります。(図:メリット3右)
または、下の前歯が斜め下から上の前歯を突き上げますので上の前歯が開いて歯と歯との間に隙間が出来てきます。また、奥歯を抜いたままにしておくと反対側に伸び出してきて噛み合わせがあわなくなり、周りの歯は少しずつ傾いてきます。
この現象を咬合崩壊と呼びます。
健康な歯の噛む力を支える力を“1”とすると、取り外しの入れ歯は“1/5”~“1/10”の力しか支えきれませんので、やはり残った歯に負担がきます。(図4:メリット5中)
しかし、インプラントは自分の歯と同等かそれ以上の支える力を発揮します。(図4:メリット5右)ので、理想的に言えば失った歯を一本ずつインプラントに置き換えていけば、力の分散がうまくいきます。
私自身はこうして対応しています。